任侠シリーズの第5弾。
出版社、学校、病院、銭湯と再建してきた東京下町人情ヤクザ阿岐本組が、今回はミニシネマ再建に奔走します。
任侠物ってどうしても暴力団同士の抗争や一般人への暴力や嫌がらせなど、血生臭いストーリーになりそうですが、本シリーズは決してそんな展開には持っていきません。最初は見た目や言動で警戒する一般人も次第に親分や組員の人柄や人間性に惹かれていく。
”反社会勢力”と言われる人達を、”反社”の一言で括って欲しくないとあらためて思わされる作品ですが、決して美化したり賞賛する事なく、あたたかい作品に仕上がってますし、ドンパチした抗争もありません。
これまでの「仁侠〇〇」シリーズと多少違うのは、親分と代貸の日村以外はあまり表にでなくなってしまい、子分たちの個性があまり発揮される事はなかったのが残念な点でした。
しかし、”暴対法”の施行や”半クレ”と呼ばれる組織の増殖等、現代社会の問題点を考える意味でも、面白い作品だと思います。
今野さんの作品は「任侠〇〇」シリーズしか読んでいないんですが、他の作品も手に取ってみたくなります。