2001年に書籍化された際に手にした本でしたが、20年の時を経て続編が出版された事もあり、あらためて手にしてみました。
水商売(風俗産業)に関する専門教育を行う都立高校を新宿歌舞伎町に設立するところから物語が始まります。
「商業高校は商売を学ぶ子。工業高校は技術を身につけて、工場で働きたい子。農業高校は農業をやりたい子。世の中には水商売ってものがあるんだから、そういう道に進む子の事も考えなきゃならないだろう」
文部科学省のキャリア官僚が酒の席で発した言葉がきっかけで、都立水商が誕生します。そんな突拍子もない高校の3年間が描かれています。
ホステスを養成する「ホステス科」、キャバレーやクラブのウェーイターからマネージャーまでを養成する「マネージャー科」、バーテンダーを養成する「バーテンダー科」。さらにソープランド嬢を養成する「ソープ科」に「ヘルス科」まで。
本作を手に取った時は「色物小説だろう!!」と軽く読み始めたのですが、読み進めると現代の教育の問題点を鋭く切り込んでいく内容に圧倒されました。
「決してあり得ない」設定のフィクションですが、なかなか読みごたえがありました。
初版から20年たった続編「都立水商1年A組」「都立水商2年A組」「都立水商3年A組卒業」の3作は1人の生徒の成長の物語が描かれていきます。
コロナ禍で危機に瀕した水商、性暴力に苦しむ生徒達。いかにして生徒達が”希望”を手にする事が出来るのか?。決して避けては通れない現代が、ここにあるのかも知れません。