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「定年オヤジ改造計画」(垣谷美雨)

タイトルにつられて手に取った一冊です。

大手石油会社を定年退職した主人公、庄司常雄。悠々自適の老後を夢見ていますが、妻には拒絶され、娘には「アンタ」呼ばわりされてしまいます。そんな中近所に住む息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれて・・・。

「男は会社、女は家庭」と思って必死に働いてきて定年を迎えた主人公がいかにして再生していくのか?家族の気持ちを取り戻すのか?、身につまされる一冊です。

特に父と大手企業に勤めるキャリアウーマン(古いか?)の娘の会話がキーワードになっています。

・・・男社会で女が総合職で働くとなると、セクハラやら女をナメきった上司やら同僚にどんだけ我慢しなければならないか、屈辱に耐えて働き続けるストレスなんて、アンタには想像もつかないでしょう・・・

・・・男っていうのはね、若い女にだけ親切なのよ。そんなことも気づいていないの?アンタも無意識のうちにそうしてたはずだよ。若くもない女がこの日本で働き続けることが、どれほどのストレスかなんて、わからないだろうね・・・

会社員時代を振り返ると、身につまされる話ですね。

まさかまさかの展開でして、最初に本を手に取った際のワクワク感がいい意味で裏切られた作品です。

今夏NHKBSにてドラマ化されるそうですので、楽しみにしたいと思います。