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「和菓子のアン」(坂本司)

高校卒業直前の街頭インタビューで将来の夢を聞かれたアンちゃんは迷わず「自分のお金でお腹一杯にお菓子を食べる事です!」と答える身長150cm、体重57kg、才能も彼氏も身長もないくせに、贅肉だけは売るほどある18歳の女の子梅本杏子(通称アンちゃん)を主人公とした物語。

高校は卒業したものの、大学へ行くほど勉強は好きじゃないし、専門学校に行くほど好きなことも見つからず、さりとていきなり就職するのもピンとこない。

そんなアンちゃんが働き始めたのがデパ地下の和菓子店「みつ屋」。個性的な店長や同僚に囲まれながら、和菓子の奥深い魅力に目覚めていく、ちょっと変わった”お仕事ミステリー”ですね。

上生菓子から季節の菓子まで「和菓子の歴史」が満載のストーリーは、読んでいて引き込まれますね。今まで触れる事のなかった”日本の食文化”について読みながら考えさせられ、勉強させられました。

文庫化された作品は本作の他に「アンと青春」「アンと愛情」と約一年ごとのアンちゃんの成長が描かれていきます。

アンちゃんが今後どう成長していくのか?楽しみなシリーズになりました。