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「流人道中記」(浅田次郎)

江戸時代末期、姦通の罪を犯した旗本:青山玄蕃。
奉行所は慣例に沿って切腹を渡すが「痛いからいやだ」と言って蝦夷松前藩へ流罪となります。
押送人として19歳の石川乙次郎と一緒に奥州街道を北に進む事になります。

街道沿いで出会った人々と玄蕃と乙次郎の交流。
読み進めていくうちに正直胸が熱くなりました。

江戸末期舞台と言えども、随所に散りばめられている玄蕃の言葉は色あせることなく、今の世でも感銘を受けるに違いありません。
今までも浅田次郎さんの時代劇小説「壬生義士伝」「一路」と読んでますが、本作はどの物語よりも深く胸ぬ迫るものがありますし、あらためて”生きる”って事を考えさせられますね。
本作は出来れば連続ドラマで映像化して欲しい。映画の枠では収まらないはずですから。

しばらく余韻に浸れそうな作品です。