医科大学の解剖学実習で組まれた女性だけの4人の班と医科大学で初の女性教授。20年後医師としてそれぞれの道を選び、命と向き合う5人の物語です。
2018年に大きな話題となった、医科大学の一般入試での女性受験者への差別事件。受験者側に説明のないまま女子受験者の点数を減点して、合格者数を調整していた事が各地の医大で長年行われていた問題はまだまだ記憶に新しいと思います。その事件を切り口として5人の女医達の苦悩や葛藤が描かれています。
男女雇用機会均等法等が成立されたのが昭和60年、労働者が女性であることを理由とした差別的な取り扱いが禁止されていますが、未だに根強く「男尊女卑」が残る社会があると痛感させられた一冊でした。
女性教授がする際の最終講義で医師たちに語り掛けます。
”男性医師たちよ、どうぞ偽りなく誠実に。そして親愛なる女性医師たちよ、勇敢であれ!”
そしてタイトルにもなっている、ブラックウェルの言葉
”もし社会が女性の自由な成長を認めないのなら、社会の方が変わるべきなのです”
医療に携わっている方、これから医療を目指そうとしている方に、そして男性に読んでいただきたい一冊です。