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「史上最強の内閣」(室積光)

北朝鮮が、日本に向けた中距離弾道ミサイルに燃料注入を開始したとのニュースが流れ、京都に隠されていた「本物(影)の内閣」が政権を握るというストーリー。

本作は2010年に刊行され一部加筆されて文庫化されていますが、そのまま現在の情勢を映しています。はなはだ乱暴なストーリーとも思いますが、全く進展の無い日朝関係に風穴を開ける”指標”を示してくれているのではないでしょうか?。

弾道ミサイルを発射される度に、「厳重に抗議する」と判で押したように会見する政権には、こうしたカンフル剤が必要なのではないですかね。

また何故にいまでも朝鮮半島で「反日」感情が根強く残っているのか?中国とロシア、アメリカとの関係性も、独自の論点で物語に取り込まれています。

最後はまさに”痛快活劇”を見ているような、楽しめるエンタテインメント小説です。