九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」を舞台とした物語です。老若男女を虜にする”胡散臭い”フェロモン連発の店長と、常連客とのコミュニケーション。それぞれ悩みを抱えた常連客達の「憩いの場」となり、「希望の場所」にもなっていきます。
中でもフェロモン店長の兄で”なんでも屋”ツギの言葉が心に染みます。
・・・「親が死んだとしても、腹は減るぞ。旨さを感じられないときは、どっかおかしくなっているときだ。美味しく食わねえと食いモンに失礼だろう」・・・
・・・「成功したひとはみんな言ってる。どんなことも、続けられなきゃどうしようもない。その年まで報われなくても続けられたってだけで、才能って呼んでいいんじゃないの?」・・・
高齢化社会の中で”コンビニの在り方”を描いた社会派小説と言っても過言ではないのではないでしょうか?。
こんなコンビニあれば毎日通いたいですね。
本作は「コンビニ兄弟2」として第二弾が書籍化されていますが、最後には第三弾への布石が描かれていますので、次回作に期待したいです。